取払とりはらわ)” の例文
旧字:取拂
藤十郎のお梶を見詰めるひとみが、異常な興奮で、燃え始めたのは無論である。人妻であると云う道徳的なしがらみ取払とりはらわれて、その古木がかえって、彼の慾情をつちかう、薪木たきぎとして投ぜられたようである。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)