匈牙利ハンガリー)” の例文
ねえ支倉君、『ニーベルンゲン譚詩リード』のこの事件における意義は、けっして後半の匈牙利ハンガリー王宮にはない、むしろ前半の、しかも氷島イスランドの中にあるんだ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
安料理の匈牙利ハンガリーグラシユが、一万五千クロネであるから、なるほど、「あそこの飯は少し高いよ」であつた。僕は食後の咖啡コーヒーをしづかに飲ほしてそこを出た。
接吻 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
かの伊太利イタリア統一の如き、また独逸ドイツ連邦成立の如き、もしくは匈牙利ハンガリーの独立運動の如き、すべてそれである。かくの如くして成立したるものを名づけて民族的国家という。
文明史上の一新紀元 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
匈牙利ハンガリーの首都ブダペストから四哩程離れた田舎に、ツインコタという風光明媚な避暑地がある。
生きている戦死者 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
最近匈牙利ハンガリーのブダペストで珍しい事件があつた。それはある寡婦ごけさんが自分に結婚を申し込んだ男を拒絶はねつけたから起きた事なので、男は当年取つて八十九歳の爺さんだつた。
匈牙利ハンガリーアスヴァニの絞刑死体(十五分間廻転するがままに放置したる後引き下してみると、その後二十分も脈動と高熱が続いたと云う一八一五年ビルバウアー教授の発表)
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
あの女主人公ヒロインの個性は、この暗い復讐悲劇の中で、最も強烈を極めている。ハーゲンに殺された夫ジーグフリードの幻を、胸に抱きしめて、クリームヒルトは匈牙利ハンガリー王エッツェルの許に嫁ぐ。
潜航艇「鷹の城」 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)