勾引かどわ)” の例文
角「あんたも保泉村で勾引かどわかしでもあるまいが、親の行方が知んねえからと云って、江戸まで連れて往って娘にすれば道理は同じ事だ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
角「それがサ、あのお梅という七歳なゝつの時に保泉村の原中で勾引かどわかされたおえいという娘だが、何うしてそれを貴方あんたが娘にしなすったえ」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又は人の娘を勾引かどわかし、実に此の上もない悪事を致したが、最早圖書も天命のがれ難く、貴公様に於て残らず御存じの上からは
角「なに岸田宇之助の娘だと、はてね、そんならたしか十三年あと保泉村の原中で賊のために勾引かどわかされた岸田屋宇之助さんの娘おえいさんか」
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)