創業そうぎょう)” の例文
例令たとえこの創業そうぎょうの一年が、稚気乃至多少の衒気げんきを帯びた浅瀬の波の深い意味もない空躁からさわぎの一年であったとするも、彼はなお彼を此生活に導いた大能の手を感謝せずには居られぬ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
彼自身が、かんぬすんでいたり、ほッと息をついていたりしていながら、全体の足ぶみだけがある理由はなかった。——鎌倉の府ができ上がった後は知らず、今の彼は、創業そうぎょうの人だった。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)