“剰余(あまり)” の例文
旧字:剩餘
雲は焚(や)け、草は萎(しぼ)み、水は涸(か)れ、人は喘(あえ)ぐ時、一座の劇は宛然(さながら)褥熱(じょくねつ)に対する氷の如く、十万の市民に、一剤(ざい)、清涼の気を齎(もた)らして剰余(あまり)あつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
実際私たちは、怪しいお客の剰余(あまり)じゃないんである。駅から町長の案内で、海岸寄りのBB旅館の前に初めは立った。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
その剰余(あまり)をすかしてみると、どろどろなものが瓶の底に溜り、動かすと蝶の粉のようなものが浮いていた。
童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
長い間胃弱に苦しんでいた笹村は、旅から持って帰った衣類をどこかで金に換えると、医療機械屋で電気器械を一台買って、その剰余(あまり)で、こまこましたいろいろのものを、時々提(さ)げて帰って来た。
黴 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
雲は焚(や)け、草は萎(しぼ)み、水は涸(か)れ、人は喘(あえ)ぐ時、一座の劇はさながら褥熱(じょくねつ)に対する氷のごとく、十万の市民に、一剤、清涼の気を齎(もた)らして剰余(あまり)あった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)