切札きりふだ)” の例文
思案に暮れた平次は、最後の切札きりふだほうりました。たった半刻、この家から皆川半之丞を追い出して、存分に調べてみたかったのです。
そういうカルタ遊びには兵士は切札きりふだなのである。その上、野猪いのししをやっつけるには猟人の知力と猟犬の力とを要するのが原則である。
もう道が無いのだ。何もないのだ。ぎりぎりの最後の切札きりふだではないか。とても、のんきにしては居られぬ。僕は、すっかり、まじめになってしまった。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
アハハハ……、どうだね、まさか木のてっぺんに、ぼくがかくれていようとは思いもかけなかったろう。そして、きみのさいごの切札きりふだ、空中飛行のプロペラを
仮面の恐怖王 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
思案に暮れた平次は、最後の切札きりふだを投げました。たつた半刻、此家から皆川半之丞を追ひ出して、存分に調べて見たかつたのです。