六枚屏風ろくまいびょうぶ)” の例文
しかしそのうしろに立てた六枚屏風ろくまいびょうぶすそからは、ひもたばねた西洋の新聞か雑誌のようなものの片端かたはしが見えたので、私はそっと首を延して差覗さしのぞくと
相当にった作りのこの造作を見廻し、関東風の旅籠はたごとの調度の比較などを試みているうちに、部屋の一隅に張りめぐらした六枚屏風ろくまいびょうぶきっと酔眼を留めて、鋭く中を見込むようなこなしをやりました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
父は出入りの下役したやく淀井よどいの老人を相手に奥の広間、引廻ひきまわ六枚屏風ろくまいびょうぶの陰でパチリパチリ碁を打つ。折々は手を叩いて、銚子ちょうしのつけようが悪いと怒鳴る。
(新字新仮名) / 永井荷風(著)