六指むさし)” の例文
甥の蜂葉十六はちはじゅうろく、十六だから〔十六六指むさしというゲームがあるから〕ムサシだとて帆村は彼をムサシという。しかしこの古い洒落しゃれは今どきの若い者には通じない。
断層顔 (新字新仮名) / 海野十三(著)
何事でも順序を立てて考へることは不得手であるのを、博士が論理で責めるから、半分夢中で受答うけこたへをしてゐる中に、いつでも十六六指むさしのやうに詰められてしまふ。
半日 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)