入部にゅうぶ)” の例文
首都の一部に焼畑を意味する地名があるのははなはだ奇ではあるが、徳川家入部にゅうぶの後も日暮里にっぽり与楽寺の庭で将軍が鹿を仕留めたことがある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
二八 始めて早池峯に山路やまみちをつけたるは、附馬牛村の何某という猟師にて、時は遠野の南部家入部にゅうぶの後のことなり。その頃までは土地の者一人としてこの山には入りたる者なかりしと。
遠野物語 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
東国の仮宿かりやど狩宿かりじゅく、薩隅日の御仮屋も、領主巡視の折の休憩所の義に出でたものであるが、実は代官ばかり入部にゅうぶするから結局同じことになる。土佐などでは近い頃までこの政所を御土居と呼んでいた。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)