入目いりめ)” の例文
このごろは何かの入目いりめで、わたくしたちの目にさえお困りの様子がありありわかりますのに、今晩に限って、これだけのお金を持っておいでになったのが
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
あるいは、そのために運上うんじょうを増して煙管の入目いりめつぐなうような事が、起らないとも限らない。そうなっては、大変である——三人の忠義の侍は、皆云い合せたように、それを未然におそれた。
煙管 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
何かと入目いりめを取りに来る者がありまして、いちいちわたし一人で払渡しをしたり、受取をやりとりしたりすることは容易でありませんから、その仕事をひとつ
大菩薩峠:35 胆吹の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
附合いの入目いりめもあるだろう、使えば使い栄えのする金になるのだから、この際、君の用意のためにするがよい——と事をわけて言い聞かせた上に、万一、君が受けないといっても、この種類の金を
大菩薩峠:40 山科の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)