入寺にゅうじ)” の例文
思うに、這奴しゃつ蟄居ちっきょ入寺にゅうじなどと事々しく世にふれていたのからして、こちらに油断を噛ませる策であったのでしょう。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さて入寺にゅうじ登山の日となれば、二ちょう山轎やまかごの荷持ちの男どもが五台山へさしていった。すでに一山の長老や僧衆とも、得度とくどの式、贈物ぞうもつ施入せにゅう、あとの祝いなど、諸事しめし合せはついている。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)