兄弟分きょうでえぶん)” の例文
こうやって自分の手にかけたお座敷で、兄弟分きょうでえぶんがこしれえたお庭を眺めながら、旦那様のお相伴しょうばんをして一杯いっぺえ頂戴出来るなんて職人冥利みょうりの行止まりでげしょう。
人間腸詰 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
甚「色のしれ好男いゝおとこだね、女が惚れるたちだね、酒がえから兄弟分きょうでえぶんの固めには、先刻さっき一燻ひとくべしたばかりだから、微温ぬるまになって居るが、此の番茶を替りに、己が先へ飲むから是を半分飲みな」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「馬鹿だなあ。親分もあり兄弟分きょうでえぶんもあるじゃねえか」
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
村の者じゃア話しが合わねえから新吉と私は兄弟分きょうでえぶんになり、兄弟分のよしみで、たげえに銭がねえといやア、ソレ持ってけというように腹の中をサックリ割った間柄、新吉の事を悪くいう奴が有ると
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
甚「おい兄弟分きょうでえぶんだよ、いゝかえ」
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)