傍視わきみ)” の例文
私は悪戯好いたずらずきで反抗的な子供であった。教室では傍視わきみをしたり、隣の生徒に相手になったり、楽書らくがきをしたりばかりしていた。
語られざる哲学 (新字新仮名) / 三木清(著)
長い長い山路で陽が入りかけたので飛脚は傍視わきみもしなかった。それでも野根村の人家へ往き着くには、どうしても夜になるぞと彼は思っていた。
鍛冶の母 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
「池の方を見ておいでなさい。傍視わきみをしてはなりませぬぞ」
半七捕物帳:07 奥女中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
泰然と坐って傍視わきみもせずに前の方を見ていた源吉が云った。
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)