偶合ぐうごう)” の例文
それが単なる偶合ぐうごうでなかったと思うことは、どうしてそのように長命をしたかの説明にまで、書物を媒介とせぬ一部の一致と脈絡がある。
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
つぎに第三種の例を挙ぐるに、卜筮ぼくぜい、予言、神知、偶合ぐうごう等の類にして、外界の事情と内界の精神作用の相合して生ずるものをいう。しかれどもこれ、ただ大体についてその別を立つるもののみ。
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
畏内いないという語は笑話の主材であり、英語のカーテンレクチュアと偶合ぐうごうした帳中説法ちょうちゅうせっぽうという妙辞もある。彼女らの手にはむちがあった。まかりちがえば亭主までが打たれる。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
夢、夜行、神知、偶合ぐうごう、俗説、再生、癲狂てんきょう、その他諸精神病
妖怪玄談 (新字新仮名) / 井上円了(著)
深夜に神々の交語を聴いて、人の世の隠れた前定を知るということは、文化の或る階段に達した社会ならば、幾らも起り得べき空想であって、その偶合ぐうごうは怪しむに足らぬ。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
これが各地の偶合ぐうごうということはあり得ぬはもちろん、たったこればかりをよそから採用して、その他は独創ということもまた想像し難く、しかも寛政中頃の奥民図彙時代
年中行事覚書 (新字新仮名) / 柳田国男(著)