偏倚かたよ)” の例文
郎女のぬかの上の天井の光のかさが、ほのぼのと白んで来る。明りのくまはあちこちに偏倚かたよって、光りをたてにくぎって行く。と見る間に、ぱっと明るくなる。そこに大きな花。蒼白いすみれ
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
郎女のぬかの上の天井の光りのかさが、ほの/″\と白んで来る。明りの隈はあちこちに偏倚かたよつて、光りを竪にくぎつて行く。と見る間に、ぱつと明るくなる。そこに大きな花。真白な菫。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)