倉田くらた)” の例文
だが、その短かい間の人気は後の紅葉よりも樗牛ちょぎゅうよりも独歩どっぽよりも漱石そうせきよりも、あるいは今の倉田くらたよりも武者むしゃよりも花々しかった。
美妙斎美妙 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
また亮が読むべくしてついに読む事のできなかった倉田くらた氏の著書の巻頭に懇篤な追悼文を題して遺族に贈られた人もあった。
亮の追憶 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
彼の俊寛は「平家へいけ女護によごしま」の登場人物の一人ひとりである。が、倉田くらた菊池きくち両氏の俊寛は、俊寛のみを主題としてゐる。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
勝久の人に長唄を教うること、今にいたるまで四十四年である。この間に勝久は名取の弟子わずかに七人を得ている。明治三十二年には倉田くらたふでが杵屋勝久羅かつくらとなった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)