信美のぶよし)” の例文
信栄は合智がふち氏をめとつて、二子を生ませた。長が信美のぶよしあざなは文誠、法名称仙軒、が鎌吉である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
先代信栄の歿した時、嫡子信美のぶよしいとけなかつたので、隠居信政は井出氏門次郎を養つて子とした。信政は門次郎にめあはするに信栄の妹曾能そのを以てしようとして、心私こゝろひそかにこれを憚つた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
信階のぶしなの家督相続は猶摂主の如きものであつた。先代信栄のぶながの子信美のぶよしが長ずるに及んで、信階はこれに家を譲つた。此更迭は何年であつたか記載を闕いでゐるが、安永六年前であつたことは明である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)