保護ほうご)” の例文
親戚はその貴重品たるを知らざるがために、これに十分の保護ほうごを加うることを怠った。そしてことごとくこれを失ってしまった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すこぶる付きの別品、しかも実の有るのにおもい附かれて、叔母さんに油を取られたと云ッては保護ほうごしてもらい、ヤ何だと云ッては保護して貰う、実に羨ましいネ。明治年代の丹治たんじと云うのはこの男の事だ。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
抽斎は人の寸長すんちょうをも見逭みのがさずに、これに保護ほうごを加えて、ほとんどその瑕疵かしを忘れたるが如くであった。年来森枳園きえん扶掖ふえきしているのもこれがためである。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
柏軒は翌年お玉が池に第宅ていたくを移す時も、家財と共にこれを新居にはこび入れて、一年間位鄭重ていちょう保護ほうごしていた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)