佐藤春夫さとうはるお)” の例文
私もついてあがって行ったが、暗くて急な梯子段の中途にかかると、私はふと、佐藤春夫さとうはるお氏の化物屋敷と云う小説を連想して体がぞくぞくと震えた。
貸家探し (新字新仮名) / 林芙美子(著)
こう云う老人は日本は勿論もちろん、西洋にも今は一人もあるまい。佐藤春夫さとうはるおにでも紹介してやったら、さぞ珍重ちんちょうすることであろう。僕は老人に話しかけた。
不思議な島 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
わたくしの友人佐藤春夫さとうはるお君を介して小山おやま書店の主人はわたくしの旧著『すみだ川』の限定単行本を上梓じょうししたいことを告げられた。今日こんにちの出版界はむしろ新刊図書の過多なるに苦しんでいる。
すみだ川 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
その後佐藤春夫さとうはるお氏のすすめにより口語体に改めた。
ルバイヤート (新字新仮名) / オマル・ハイヤーム(著)
けれどもあたしたちの代弁者だいべんしゃうそのように一人もいないじゃないの? 倉田百三くらたひゃくぞう菊池寛きくちかん久米正雄くめまさお武者小路実篤むしゃのこうじさねあつ里見弴さとみとん佐藤春夫さとうはるお吉田絃二郎よしだげんじろう野上弥生のがみやよい、——一人残らず盲目めくらなのよ。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)