仏室ぶつま)” の例文
弁の尼のお勤めをするだけの仏具が置かれてある寂しい仏室ぶつまを見て、こんな所にどんな気持ちで彼女は毎日暮らしているのであろうと薫は哀れに思った。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
御帰館おかえり——」と叫ぶにつれ、老婦人でて、式台に成らせたまえば、一同眼の覚めたる心地して、万歳をどっと唱え、左右にずらりと平伏するを、見向みむきもせで、足疾あしばや仏室ぶつまの内
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)