仏参ぶつさん)” の例文
仏参ぶつさんに行つた家族のものは、まだ帰つて来ない。内の中はしんとしてゐる。彼は陰気な顔を片づけて、水滸伝を前にしながら、うまくもない煙草を吸つた。
戯作三昧 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一方趙家では、蝋燭も線香もつかわずに、大奥さんが仏参ぶつさんの日までしまっておいた。そうしてあの破れ上衣の大半は若奥さんが八月生んだ赤坊あかんぼうのおしめになって、その切屑は呉媽の鞋底くつぞこに使われた。
阿Q正伝 (新字新仮名) / 魯迅(著)