よっ)” の例文
これは遺言ではなけれど余死したる跡にて家族の者差当り自分の処分に迷うべしよって余の意見を左に記す
遺言状・遺族善後策 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
明治六年の太陽暦施行しこうの年には、新暦十一月の第二の卯の日が二十三日であった。よってこの日をもって爾後じご毎年の新嘗祭日にしようという御沙汰書ごさたしょが残っている。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
元来その国柄と見えて、物のことわりを考へきわむることはなはだ賢く、よっては発明の説も少なからず。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
よって聖人に謁せんと思ふこころつきて、禅室に行て尋申すに、上人左右そうなくいであひたまひけり。すなはち尊顔にむかひたてまつるに、害心たちまちに消滅してあまつさえ後悔の涙禁じがたし。
加波山 (新字新仮名) / 服部之総(著)
よって鬼子とはふ也
山の人生 (新字新仮名) / 柳田国男(著)