マタ)” の例文
からだもマタちり/″\に、山田谷へ、竹内谷へ、大阪越えへ、又当麻路へ、峰にちぎれた白い雲のやうに、消えてしまつた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ソモ、天下如何ナル愚人ゾ。曹操ガ赤壁ノ大敗ヲ見テ、マタ、ソノ愚轍グテツヲアエテワントスルトハ。今、天下三分シ、操ハソノ二分ヲ占メ、ナオ、馬ヲ蒼海ニ水飼イ呉会ニ兵ヲ観ンコトヲ望ム。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
僕「信ジタク思ウ。予モマタ後ニ質問スベシ。兎モ角モ早ク語レ」
壊れたバリコン (新字新仮名) / 海野十三(著)
けれどもマタ、浅い夢ばかりを見続けて居た気がする。うつら/\思つてゐた考へが、現実にツナガつて、あり/\と、目に沁みついてゐるやうである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
心頭ヲ滅却スレバ火モマタスズシ
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ところが、其おことばが縁を引いて、此郷の山には、ソノマタ、貴人をお埋め申すやうな事が、起つたのである。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)