乳父めのと)” の例文
さぐりえた噂によれば、東伐とうばつの大事を割ッて、関東へそれを密告した者は、みかどの乳父めのと、吉田大納言定房であるというではないか。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みかどがまだ尊治親王たかはるしんのうとよばるる御身分にすぎなかった幼少から、わが家にておだて申しあげて来たいわゆる乳父めのとの彼であった。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ほかでもない。かの、みかどの乳父めのと吉田ノ大納言定房卿が、宮中のおんくわだてを密告したものであると申す儀は、まことであろうか、虚伝きょでんであろうか」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
後醍醐には、今なお、乳父めのとの吉田が、鎌倉へ密告したなどとは、どうあっても、信じられてはいない。
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
公卿は、後醍醐の乳父めのと、吉田大納言定房だった。
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)