乗鞍のりくら)” の例文
旧字:乘鞍
そこから小手をかざしてみると、うッすらとした昼霞ひるがすみのあなたに、若狭わかさ三国山みくにやま敦賀つるが乗鞍のりくら北近江きたおうみの山々などがまゆにせっしてそびえている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その拳銃ピストルは、今年の夏、彼が日本アルプスの乗鞍のりくらヶ岳から薬師ヶ岳へ縦走したときに、護身用として持って行って以来、つい机の引出しに入れて置いた。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
方二町ばかりの小沼の岸に立った時に、乗鞍のりくらたけが、森林の上にその真白な背を現わしました。雪をかぶった乗鞍ヶ岳の背は、名そのままの銀鞍ぎんあんです。銀鞍があって白馬はいずこへ行った。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
御嶽おんたけ乗鞍のりくらこまたけ
県歌 信濃の国 (新字新仮名) / 浅井洌(著)