久離きうり)” の例文
「いえ、二年前に別れた切りで御座います。三百兩の金はとうに費つて了つたでせうが、久離きうり切つた兄のところへ顏を出すのがおつくふで泉屋さんを困らせて居るのかもわかりません」
もて營業と爲ぬ又同町に山田元益げんえきといふ醫師いしやあり是はれ庄兵衞が兄にて幼名をさなゝを庄太郎といひしが性來しやうらいからぬ品行おこなひありて賭博とばくを好みさけを飮み親に苦勞くらうを掛ることも度々あれば父はいか久離きうり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
これは、賭博遊てなぐさみが好きで久離きうりられ、三河町で器用から思ひついた、細工物をして居ります。もう五十になつても、うだつがあがらないのですから、自分の生れた三村屋が戀しくもなるでせう
父親がくなると、すつかり羽を延ばしてしまつた秀吉は、やくざ者の仲間に入つて久離きうりられ、母と妹のお梅は、かなりの財産と一緒に、叔父に當る黒木長者の孫右衞門に引取られましたが
配偶つれあひは五年前に亡くなりましたが、たつた一人の伜三之助は、年寄つ子の我儘育わがまゝそだちで、惡遊びから、到頭勝負事にまで手を出すやうになり、金看板きんかんばんのやくざ者になつて、三年前に久離きうりつて勘當され