久利くり)” の例文
榛軒の三女久利くりは此年に生れたが、其月日をつまびらかにしない。久利は後いくばくもなくして世を早うするむすめである。是が記事の二である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
歴世略伝を検するに榛軒の子はかえ久利くりの二女を載するのみである。柏の生れたのは八年の後である。久利の生年は記載して無い。丁亥に生れた女子はその何人なにひとなるをつまびらかにしない。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「廿日。陰。示幻童女しげんどうによ三十三回忌。」天保己亥に歿した榛軒のぢよ久利くりである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)