主水正もんどのしょう)” の例文
主水正もんどのしょう様が、今も果たしてそこにいるかどうかも分りませんから、そんな頼りのない方を遠国までたずねてゆくよりは、近頃、有名でいらっしゃる
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それぞれ、二通を状箱にふうじて納めた主水正もんどのしょうは、即刻、儀作ぎさくともう一人の若党をよんで、同時に別所、小笠原の二家へ、とどけさせることになった。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
篠部淡路守、津田雅楽助うたのすけ、山岡主計頭かずえのかみ、前田主水正もんどのしょう、不破萬作、雑賀虎、山田三十郎、山本主殿助とのものすけ、志水善三郎、外に隆西堂が淋しく従い、奈良坂を過ぎて般若寺のあたりに暫く輿をとゞめつゝ
聞書抄:第二盲目物語 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これより先幕府は安政三年二月に、蕃書調所ばんしょしらべしょ九段くだん坂下さかした元小姓組番頭格ばんがしらかく竹本主水正もんどのしょう正懋せいぼうの屋敷跡に創設したが、これは今の外務省の一部に外国語学校をかねたようなもので、医術の事には関せなかった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
主水正もんどのしょうじゃ。差料にせい」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
その人の消息を知りたければ、大坂城へ参って、富田主水正もんどのしょうという人物をたずねてみるとよい
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういって主水正もんどのしょうが二人を見かわすと、そろばん係が、そろばんをがちゃがちゃとくずして
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
庭隅の築山のふもと、江戸家老田丸主水正もんどのしょうが、何よりの自慢にしている一本松……。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
主水正もんどのしょうがうやうやしく頭をさげる前に、迷惑そうにちょこなんとすわっているのは、作爺さんです。老いの身の病気あがり、気のせいかこんどの病で、めっきりおとろえたようです。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
この時主水正もんどのしょう、すこしもさわがず、すまして手をたたいたものです。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
主水正もんどのしょうは、はじめて微笑をもらした。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)