並々なみなみ)” の例文
焼きたがる女に違いない。前の生活で質屋の使いや、借金の断りや、家賃の掛引かけひきなんぞには並々なみなみならぬ苦労を積んで来たのであろう
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
さればこの山の神社に四年目毎に行わるる奉納の試合は関東武芸者の血を沸かすこと並々なみなみならぬものがあります。
なんと並々なみなみならぬ心遣こころづかいと、努力どりょくが、そのかたむけられていることか。たとえば、雨風あめかぜかれても容易よういれそうもない、じょうぶなえだえらばれていました。
ある夏の日のこと (新字新仮名) / 小川未明(著)
ワグナーの楽劇に対する用意は並々なみなみならぬものであったのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)