両隣りょうどな)” の例文
旧字:兩隣
あわれにも彼のテント店は雨にたたかれてきたない色と化し、みすぼらしさを加えた、そればかりか両隣りょうどなりもお向いも、みんな本建築になってしまったので
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
やはり向う三軒両隣りょうどなりにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ところへ両隣りょうどなりの机の所有主も出校したんで、赤シャツは早々自分の席へ帰って行った。赤シャツはるき方から気取ってる。部屋の中を往来するのでも、音を立てないようにくつの底をそっとおとす。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)