不精鎌ぶしょうがま)” の例文
一挙に草を征伐するには、夏の土用どようの中、不精鎌ぶしょうがまと俗に云うの長い大きなカマボコ形の鎌で、片端からがり/\いて行く。梅雨中つゆうちには、掻く片端からついてしまう。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
繃帯ほうたいして右手めてくびから釣って、左の手で不精鎌ぶしょうがまを持って麦畑の草など親分が掻いて居るのを見たのは二月もあとの事だった。喧嘩の仲入なかいりに駈けつけた隣の婆さんは、側杖そばづえって右の手を痛めた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)