上段うわだん)” の例文
どこにいるのかと思うと、袋戸棚の上段うわだんに潜ッている。そこから、天井板をめくッて、屋根裏へはい出そうという作業中であったと見えます。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汽車の中でねむるにもその上へ白髪しらがの額を押当てて頂いた、勿体ない、鼠穴のある古葛籠ふるつづらを、仏壇のない押入の上段うわだんに据えて、上へ、お仏像と先祖代々の位牌いはいを飾って、今朝も手向けた一もん蝋燭ろうそく
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)