三平さんぺい)” の例文
もう一人はまむし三平さんぺい——これは死んだそうだが、——あと一人残った人殺しの房吉ふさきち、これは頭分かしらぶんで、人の五六人も殺している。
棭斎ののち懐之かいしあざな少卿しょうけい、通称は三平さんぺいいだ。抽斎の家族は父允成、妻徳、嫡男恒善つねよし、長女いと、次男優善の五人になった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
こう云われて、彼も早速其の気になり、旦那の胆煎きもいりで到頭柳橋の太鼓持ちに弟子入りをしました。三平さんぺいと云う名は、其の時師匠から貰ったのです。
幇間 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この家の主人は明治の初年に、藩中で三平さんぺいの随一と呼ばれたほどの人物の従者になって、あこがれの東京に出てきた。