三宮さんのみや)” の例文
不幸にも、先年東海道川崎駅に近い生麦なまむぎ村に起こったと同じような事件が、王政復古の日を迎えてまだ間もない神戸三宮さんのみやに突発した。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
神戸も元町から三宮さんのみや界隈かいわいに至る腰掛のうまいもの屋の消息には実によく通じていて、まだこの店が今の所に移る前、取引所の筋向うの細い路次の
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
三宮さんのみや事件はこの新政府にとって誠意と実力とを示す一つの試金石とも見られた。二月の九日になると、各国公使あての詫書わびしょが京都から届いた。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
自分は明日の朝パパと一緒に三宮さんのみやから横浜へ向けて立つことになった、亜米利加を廻って独逸へ着くのは九月の上旬になると思うが、独逸ではハンブルクに住むはずであるから
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そこへおもしろおかしいうた囃子はやしが聞こえる。三宮さんのみやの方角に起こる群集の声は次第に近づいて来る。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)