三升格子みますごうし)” の例文
見れば濃いまゆを青々とり眼の大きい口尻の凛々りりしい面長おもながの美男子が、片手には大きな螺旋ねじねじ煙管きせるを持ち荒い三升格子みますごうし褞袍どてらを着て屋根船の中に胡坐あぐらをかいていると
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それでいて、十代の娘時分から、赤いものが大嫌いだったそうで、土用どよう虫干むしぼしの時にも、私は柿色かきいろ三升格子みますごうしや千鳥になみを染めた友禅ゆうぜんほか、何一つ花々しい長襦袢ながじゅばんなぞ見た事はなかった。
監獄署の裏 (新字新仮名) / 永井荷風(著)