“一襞”の読み方と例文
読み方割合
ひとひだ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あらゆるものの中で海はとりわけ私にとつてたくさんの陥穽かんせいに満ちてゐる。私はともすれば飜る波の一襞ひとひだにも古い記憶の合図を見るのだ。
恢復期 (新字旧仮名) / 神西清(著)
割合に詰ったあごの真下から、一襞ひとひだになって、ただ一枚のむらさきえんまでふわふわと動いている。そでも手も足も見えない。影は廊下に落ちた日を、するりと抜けるように通った。あとから、——
永日小品 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)