一本薄ヒトモトスヽキ)” の例文
地上に立てた所謂一本薄ヒトモトスヽキ(郷土研究二の四)、さては川戸のさゝら荻にも、榊葉サカキバにも、木綿ユフしでにも、シキミの一つ花(一本花とも)の類にも惹かれよつたであらうが
髯籠の話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
ともかくも、同じく禾本科植物の穂あるものをスヽキと謂ふ事が出来るにしても、其は川村杳樹氏の所謂一本薄ヒトモトスヽキの例から説明すべきもので、祖母の言の如き、簡単なる語原説は認め難い。
稲むらの蔭にて (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
……群鳥の わが群れなば 引け鳥の 我が牽けなば、哭かじとは 汝は云ふとも、山門ヤマト一本薄ヒトモトスヽキ ウナカブし 汝が哭かさまく、朝雨の さ霧に彷彿タタむぞ。……(八千矛神——記)
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)