一夏いちげ)” の例文
是は阿波の鳴門に一夏いちげを送る僧にて候。さても此浦は平家の一門果て給ひたる所なれば痛はしく存じ、毎夜此磯辺に出でて御経を読み奉り候。
お伽草紙 (新字旧仮名) / 太宰治(著)
美濃みのの国の竜泰寺りようたいじ一夏いちげみたしめ、此の秋は奥羽のかたに住むとて、旅立ち給ふ。ゆきゆきて下野しもつけの国に入り給ふ。
ハクラクの香炉峰はしばらく問わず、兎に角避暑地たるクウリンは一夏いちげを消するのに足る処らしい。
長江游記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
是は阿波の鳴門に一夏いちげを送る僧にて候。さても此浦は平家の一門果て給ひたる所なれば痛はしく存じ、毎夜此磯邊に出でて御經を讀み奉り候。
お伽草紙 (旧字旧仮名) / 太宰治(著)