“ようかんいろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
羊羹色88.9%
羊羮色11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それもスコッチの毛のれてなくなった鳶色とびいろの古背広、上にはおったインバネスも羊羹色ようかんいろに黄ばんで、右の手には犬の頭のすぐ取れる安ステッキをつき
少女病 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
謂わば、羊羹色ようかんいろである。薄赤い縦横の縞は、不潔な渋柿色を呈して老婆の着物のようである。私は今更ながら、その着物の奇怪さにあきれて顔をそむけた。
服装に就いて (新字新仮名) / 太宰治(著)
吃驚びっくりして見上げると、腰をかがめた供の男の前に、立ちはだかった一人の浪人——月代さかやきが伸びて、青白い四角な、長い顔、羊羮色ようかんいろになった、黒い着付けに、茶黒く汚れた、白博多しろはかたの帯
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
その群れの中に詰襟つめえりの背広を着て、古い麦稈むぎわら帽子をかむって、一人てくてくとへいぎわに寄って歩いて行く男があった。靴はほこりにまみれて白く、毛繻子けじゅす蝙蝠傘こうもりがさはさめて羊羮色ようかんいろになっていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)