“やまめつけ”の漢字の書き方と例文
語句割合
山目付100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
膝を抱えると杢之進もくのしん日向思案ひなたしあんに落ちこんで、山目付やまめつけとは、何たる御苦労なしな役目だろうと、今さららしく、退屈の不平を数えた。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんな日傭稼ひようかせぎなどになめられて、山目付やまめつけというお役目がつとまるものかと、伊部熊蔵いのべくまぞう、ひたいに青筋あおすじを立ってカンカンになりながら
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
肥前鍋島家ひぜんなべしまけの役人、山目付やまめつけ鈴木杢之進すずきもくのしんという色の黒いさむらい、手に寒竹かんちくつえをもち、日当たりのいい灌木かんぼくの傾斜を、ノソリ、ガサリ、と歩いている。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
窯焚かまたきの百助ももすけ山目付やまめつけの鈴木杢之進もくのしん、庭木戸から入ってきてこのていを眺めたが、格別かくべつ目新しいことでもないので、相変らずだな、と思って縁へ寄ってきた。
増長天王 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
伊部熊蔵いのべくまぞうはわるい気持がしないようすだ。卜斎の目から見れば、この山目付やまめつけらしいさむらいが、どこの大名だいみょうぞくしている者かぐらいは、腰をかがめた時にわかりきっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは山目付やまめつけ巡察の役目できていたのだが、そろそろ春めいてきたところから、食客の若公卿わかくげ、家中のもてあまし者、竹屋三位卿が、なんでも同行するというので、はるばる、徳島の城下から
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)