“やおや”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
八百屋98.3%
野菜店1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
めそのことは人があまり知らずに、小魚などといいますが、鰻のごく細いのです。それは肴屋さかなやでなくて、八百屋やおやが持って来ました。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
取り残したいもの葉に雨は終日降頻ふりしきって、八百屋やおやの店には松茸まつたけが並べられた。垣の虫の声は露に衰えて、庭のきりの葉ももろくも落ちた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
菊江は白い小さな歯をした青年の口元を浮べたところで、己の足がもう野菜店やおやの店の中へ入っているので、驚いて三個の褐腐こんにゃくを買って、それを手巾ハンカチくるんで出た。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
菊江は雑貨店あらものやのつぎの野菜店やおやへ入ろうとして、ふと見ると、その野菜店の正面になった左側のカフェーの下にも二階にも客が数多たくさんある容子ようすで、何か口ぐちに云うのにまじって女の声もしていた。
女の怪異 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)