“もくあん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
木庵80.0%
木菴20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
余は書においては皆無鑒識かいむかんしきのない男だが、平生から、黄檗おうばく高泉和尚こうせんおしょう筆致ひっちを愛している。隠元いんげん即非そくひ木庵もくあんもそれぞれに面白味はあるが、高泉こうせんの字が一番蒼勁そうけいでしかも雅馴がじゅんである。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
木庵もくあんの「花開万国春はなひらくばんこくのはる」が呉昌蹟ごしやうせき木蓮もくれん鉢合はちあはせをしてゐる事もある。が、客間を飾つてゐる書画は独りこれらの軸ばかりではない。
東京小品 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
床に掛けた花開はなひらく万国春ばんこくのはるとある木菴もくあん贋物にせものや、京製の安青磁やすせいじけた彼岸桜ひがんざくらなどを一々順番に点検したあとで、ふと下女の勧めた布団の上を見るといつのにか一ぴきの猫がすまして坐っている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)