“むきなお”の漢字の書き方と例文
語句割合
向直100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ただ俯向うつむいて呼吸いきを呑んでいると、貴婦人はひややかに笑って又彼方あなた向直むきなおるかと思う間もなく、室内は再びくらくなっての姿も消え失せた、夢でない、幻影まぼろしでない
画工と幽霊 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
つぶやくように云って、高野千之はくるっと向直むきなおり、大股に庭へ下りて行った。
海浜荘の殺人 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
四条派ふうの金屏風きんびょうぶめぐらした中に、鏡台、化粧品置台おきだい丸火鉢まるひばちなどを、後や左右にして、くるりとこっちへ向直むきなおった貞奴は、あの一流のつんと前髪を突上げた束髪で、キチンと着物を着て
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)