“むかうじま”の漢字の書き方と例文
語句割合
向島100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
宿入やどいりに出すが如き仕成しなしにて名代につかはしけるに彼の仲間の若者は萬八のくづれより向島むかうじまの花見と云ひなしそのじつ花街よしはらの櫻の景氣を見んと言ひ立ち伊勢五の養子を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
向島むかうじま木母寺もくぼじ。平舞臺の下手へよせて、藁ぶき屋根の茶店あり。軒にあづま屋といふ行燈あんどうをかけ、門口に木振よき柳の立木あり。よきところに床几二脚ほどならべてあり。
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
彼は廉一の紙石板かみせきばんへ、山や船を描いてやつた。「向島むかうじま花ざかり、お茶屋のねえさんちよいとお出で。」——どうかするとそんな昔の唄が、覚束おぼつかない筆蹟を見せる事もあつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)