“むこうじま”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
向島93.5%
向嶋6.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それが午後七時頃のことだ。遠い所でもないので、彼はいつもの様に、散歩旁々かたがた、吾妻橋を迂回うかいして、向島むこうじまの土手を歩いて行った。
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ここは人の出入りが激しくて、とても見張ってはいられませんから、二十四日の晩からお糸は向島むこうじまの寮へやっておくつもりです。
大正十二年九月震災の火で東京の市街が焼払われてからのちの事で、それまでは向嶋むこうじまにも土手があって、どうにか昔の絵に見るような景色を見せていた。
水のながれ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
戦災の後、東京からさして遠くもない市川の町の附近に、むかしの向嶋むこうじまを思出させるような好風景の残っていたのを知ったのは、全く思い掛けない仕合せであった。
葛飾土産 (新字新仮名) / 永井荷風(著)