“ほうへいこうしょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
砲兵工廠75.0%
砲兵工厰25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
空には蜻蛉とんぼなどが飛んで、足下あしもとくさむらに虫の声が聞えた。二人は小高い丘のうえに上って、静かな空へ拡がって行く砲兵工廠ほうへいこうしょうの煙突の煙などをしばらく眺めていた。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
藤尾はなめらかなほおに波を打たして、にやりと笑った。藤尾は詩を解する女である。駄菓子の鉄砲玉は黒砂糖を丸めて造る。砲兵工廠ほうへいこうしょうの鉄砲玉は鉛をかしてる。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は彼らがいかに予期にちた心をもって、のろのろ砲兵工厰ほうへいこうしょうの前から御茶の水を通り越して柳橋までがれつつ行っただろうと想像する。
硝子戸の中 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
私は今日ここへ参りがけに砲兵工厰ほうへいこうしょうの高い煙突から黒煙がむやみにむくむく立ちのぼるのを見て一種の感を得ました。考えると煤煙ばいえんなどは俗なものであります。
文芸の哲学的基礎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)