“ほうかいし”の漢字の書き方と例文
語句割合
豊芥子100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
当時ろくを揶揄からかうものは枳園のみでなく、豊芥子ほうかいしも訪ねて来るごとにこれに戯れた。しかしろくは間もなく渋江氏の世話で人に嫁した。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
重兵衛も自ら庭に降り立って、芥子のうすを踏むことがあった。そこで豊住町の芥子屋というこころで、自ら豊芥子ほうかいしと署した。そしてこれを以て世に行われた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
三百両は建築のついえを弁ずるにはあまりある金であった。しかし目見めみえに伴う飲醼贈遺いんえんぞうい一切の費は莫大ばくだいであったので、五百はつい豊芥子ほうかいしに託して、おもなる首飾しゅしょく類を売ってこれにてた。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
此年石塚豊芥子ほうかいしが六十三歳で歿した。豊芥子の行状はほゞ渋江抽斎伝に見えてゐる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは伊沢榛軒、同柏軒、渋江抽斎、森枳園、小島成斎、石塚豊芥子ほうかいしの人々と寿海老人の勧進帳を観たことを記憶してゐる。此人々は所謂眼鏡連めがねれんで、つねに土間の三四を打ち抜いて見物した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)