“ふりかざ”の漢字の書き方と例文
語句割合
振翳100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現にかれなどはそれを真向まつかう振翳ふりかざしてこれまでの人生を渡つて来た。智慧ちゑを戦はして勝たんことを欲した。自己の欲するまゝにあらゆるものを得んことを欲した。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
やがて、種牛の眉間みけんを目懸けて、一人の屠手がをの(一方に長さ四五寸のくだがあつて、致命傷を与へるのはこの管である)を振翳ふりかざしたかと思ふと、もう其が是畜生の最後。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
だけど、そんな知識を振翳ふりかざしたって何になるでしょう。そんな学問はただの装飾です。いくらくれないあや単襲ひとえがさねをきらびやかに着込んだって、たましいの無い人間は空蝉うつせみ抜殻ぬけがらです。
なよたけ (新字新仮名) / 加藤道夫(著)