“ひらしゃ”の漢字の書き方と例文
語句割合
緋羅紗100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
眼も爪も全く生きた時のままに残した大きな虎の皮に、緋羅紗ひらしゃへりを取ったのがこの店のおもな装飾であった。敬太郎けいたろう琥珀こはくに似たその虎の眼を深く見つめて立った。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
この暑気に、虎の皮の大衿おおえりのついた緋羅紗ひらしゃ胴服どうふくを着こんでいるのが、馬鹿らしくてならない。
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
緋羅紗ひらしゃを掛けた床の雛段には、浅草の観音堂のような紫宸殿ししいでんいらかが聳え、内裏様だいりさまや五にんばやしや官女が殿中に列んで、左近さこんの桜右近うこんの橘の下には、三人上戸じょうご仕丁じちょうが酒をあたゝめて居る。
少年 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)