“はんくう”の漢字の書き方と例文
語句割合
半空100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鼻の先から出る黒煙りは鼠色ねずみいろ円柱まるばしらの各部が絶間たえまなく蠕動ぜんどうを起しつつあるごとく、むくむくとき上がって、半空はんくうから大気のうちけ込んで碌さんの頭の上へ容赦なく雨と共に落ちてくる。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かの蒼然さうぜんたる水靄すゐあいと、かの万点の紅燈と、而してかの隊々たいたいふくんで、尽くる所を知らざる画舫ぐわぼうの列と——嗚呼ああ、予は終生その夜、その半空はんくうに仰ぎたる煙火の明滅を記憶すると共に、右に大妓たいぎを擁し
開化の殺人 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)